新型コロナの打撃が大きい貧困層 検査拡大が助けに
IMF Blog, December 3, 2020
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- 新型コロナの打撃が大きい貧困層 検査拡大が助けに
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- Authors: Allan Dizioli, Michal Andrle, John Bluedorn
- Published: December 3, 2020
概要
- 新型コロナウイルスの感染者と死亡者は豊かな地区よりも貧しい地区で多い。
- パンデミックとそれを制御するための取り組みによって、貧困層が不釣り合いに大きな影響を受けている。
- モデルに基づく分析は、検査がより広範かつ迅速に行われればウイルス拡散防止を改善し、特に貧困層の助けになることを示している。
重要となる所得(感染リスクを高める要因)
- 低賃金労働者は、食料品店や宅配サービスなどパンデミック下でも必要不可欠と見なされる職に従事しているため、リモートワークを選択する余地が限られる。
- 貧困地区は人口密度が高い場合が多く、感染が広がりやすい。
- 貯金が少ないため、労働時間を減らして感染リスクを抑える選択が取りにくい(自営のインフォーマル労働者など)。
- 富裕世帯は仕事を減らしたり自宅外で過ごす時間を制限したりする選択肢があり、感染リスクを低下させることが可能。
モデルによる主要な発見(感染率・死亡率の格差)
- 富裕世帯でウイルスに最終的に感染する割合は10%をわずかに上回る程度。
- 貧困世帯では2年間に50%を超える割合が最終的に感染することが示されている。
- モデルは貧困世帯の死亡率が4倍ほど高いと示している。
- これらの数字は、パンデミックに伴う健康上の被害の大部分が貧困世帯で生じていることを示唆している。
重要となる検査(検査拡大の効果とコスト)
- 貧困層への影響を軽減するための重要な政策措置は次の2つ:
- 的を絞った所得支援により、貧困世帯の消費を大規模な負の経済ショックから守る。
- 広範な検査によりパンデミックの拡大と封じ込めに関する情報精度を高め、新規感染者を特定・隔離して感染リスクを低減する。
- 最新の迅速検査は安価で、世界保健機関(WHO)は最近、検査1回5ドルとする取り決めを行った。
- 需要と生産が拡大すれば、価格は1ドル以下まで下落する可能性がある。
- 簡易検査は医療機器や試験所なしに世帯や企業で利用可能であり、一元的な処理や報告も不要となる場合がある。
検査拡大の公衆衛生上および経済上の効果(数値)
- 無症状感染者のうち半数を特定できれば、1年以内に死亡者数を75%近く抑えられる。
- 大規模な検査が強化された場合、最大の恩恵を受けるのは貧困層であり、貧困層の死亡率が75%近く低下する。
- 富裕層では死亡率の低下は約50%となる。
- 無症状感染者に対する検査が全くなされず伝播が検出されない場合、典型的な国では初年度にGDPが15%の落ち込みを記録する。
- 無症状感染者のうち50%が特定・隔離される場合、損失はGDPの3.3%にとどまる。
- これは、全人口の約60%を対象に真陽性率(感度)が80%の検査を毎週行うことができれば達成可能である。
政策的含意と推奨事項
- マスク着用、手洗い、物理的距離の確保と合わせて広範な迅速検査を実施することで、感染拡大を抑えつつ人々の接触を維持し、経済を下支えできる。
- 検査拡大はパンデミックによって拡大した不公平性を部分的に是正し、貧困でより脆弱な世帯がより良い状態で危機を乗り切る助けとなる。
- 的を絞った所得支援と広範な検査を組み合わせることが、ワクチンや治療が広く利用可能になるまでの重要な緩和策となる。
出典: 新型コロナの打撃が大きい貧困層 検査拡大が助けに